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ビジネスサイドの人材にデータ集計・統計分析スキルを学んで欲しい理由

こんにちは、マーケティングディレクターの眞栄田です。

私は、クリエイターばかりのアジケの中では珍しく、マーケティングディレクターというビジネスサイドよりの職種を担当しております。

そのような日々の業務の中でプロデューサーやマーケターといったビジネスサイドの人材が、集計・統計分析スキルを身に付けることで、より効率的に成果を生み出せるのではないかなー。」と感じることがあります。

今回は自分の中での整理の意味も込めて、その理由をご紹介したいと思います。

集計・分析スキルによる「Check(評価)」プロセスの効率化

結論からいうと、集計・分析スキルをビジネスサイドの人材が身に付けることは PDCAサイクルの「Check(評価)」の部分を効率化できると考えています。

実行した施策を、いざ評価(効果検証)するとなった時に、
・データ抽出をエンジニアに依頼するため、時間がかかる
・どのタイミングで効果検証すればいいかわからない。
・検証してみたはいいが確信がもてない。
という課題が発生し、施策の成否の判断がうやむやになってしまうという経験が皆さんにもあるのではないでしょうか。

集計・統計分析スキル、その中でもデータ抽出スキル統計知識を身に付けることはこれらの課題を解決して、「Check(評価)」プロセスのスピード精度をあげることができます。
このことについて、次の項からはより詳しく説明していきます。

①効果検証の「スピード」を早めることができる

ビジネスサイドの人材が身に付けて欲しい集計・統計分析スキルの一つがSQLなどのデータ抽出スキルです。データ抽出スキルを身に付けることが、なぜ、効果検証のスピードを早めることができるのでしょうか。
それは以下で説明する二つのメリットがあると考えられるためです。

・エンジニアのリソースに関わらず効果検証が進められる

ビジネスサイドの人材が自らデータを抽出できることのメリットの一つとして、効果検証するべきタイミングで迅速に検証が可能になるということがあります。

自ら数値を抽出できない場合、エンジニアにデータ抽出を依頼するかと思います。ということは、エンジニアのリソースの有無によっては、効果検証するべきタイミングで実施することができないということが発生します。自らデータを抽出するスキルを身に付けることでそのような事態を防げる可能性が高くなります。
さらにいうならエンジニアのリソースを使わないですむため、もっと優先度の高い施策にエンジニアに注力してもらうことができるようになります。

・データ項目のミスマッチを防ぎ、精度を高めることができる

二つ目のメリットとしては「必要なデータ」と「抽出されたデータ」のミスマッチを防ぐことができます。

事業サービスの収益につながる指標やKPIを詳しく把握しているのは、プロデューサーやマーケターといったビジネスサイドよりの人材であることが多いです。データを抽出できるスキルがあれば、効果検証に必要な指標を漏れなく抽出することができます。

また、データの異常値などにも気づくことができるため、抽出データの精度も高めることができます。エンジニアに依頼する場合には、必要項目をあらかじめピックアップして伝えるタスクが発生します。また、データを加工・分析する際に、追加で必要なデータに気づくということもあり得ますのでその度に依頼する必要が生じます。さらに、だしてもらったデータが異常値だった場合には差し戻しも発生する可能性があります。

このようにビジネスサイドの人間が自らデータを抽出できるスキルを身に付けることは、リソースの無駄遣いを無くし、必要なデータのミスマッチを防ぐことで、結果として効果検証プロセスのスピードをあげることができます。

②施策の効果検証の「精度」を高めることができる!

さて、この記事を閲覧いただいている皆さまの中にもプロデューサーやマーケターやの方々がいらっしゃり、広告運用や集客施策、サイト改善に日夜、取り組んでいるのではないかと思います。

しかし、その実施した施策の効果検証をしっかりとした根拠や論理に基づいて行えていますでしょうか。
「数値に基づいてちゃんと判断している。」という方であっても、実は精度の低い効果検証をしてしまっているということが十分にあり得ます。
そのような課題の解決を可能にするのが統計知識です。

事例を通して説明します。
例えば、ある運用型広告において、クリック率の上昇を目的として、広告のA/Bテストを実施したとします。

以下がその結果です。

テスト①とテスト②のどちらの結果においても、広告のクリック率は広告Bのほうが+0.11%高く、「広告Bの方がより効果的にクリックを集められる広告」だと言えそうです。

しかし、ここでその判断をもって全ての広告を広告Bに切り替えるというのは早計といえます。それはなぜでしょうか。

結論からいうと、今回のテストで得られた数値が「有意差があるかどうか」確認できていないからです。もっとわかりやすくいうと「この結果が誤差である可能性」を検証できていないのです。

それでは試しに「カイ二乗検定」という統計検定を実施し、最終的にP値を出してみまししょう。

以下がその結果です。

詳しい原理や計算方法は長くなってしまうので次の機会にご紹介しますが、この結果が意味することをわかりやすくいうと

・テスト①の結果は「たとえ、効果がない場合でも0.004%の確率で現れる」=「得られた結果は誤差ではない可能性が高い」といえます。

・テスト②の結果は「たとえ、効果がない場合でも19.535%の確率で現れる」=「得られた結果が誤差である可能性が比較的高い」といえます。

つまり、テスト①とテスト②では、一見、クリック率がほぼ同じテスト結果でもその精度は全く異なっているということがわかりました。

このことがわかれば、有意性の高いテスト①の場合は「今後、 広告Bに入れ替えてみようか。」という判断も良いかもしれません。
一方で現状、有意性の低いテスト②についてはもう少し様子を見てから判断するということもありえるということです。
※ちなみにP値の許容範囲については明確な決まりはないのですが、統計学では5%と定める場合が多いです。

今回は運用型広告の例でしたが、コンバージョン率の上昇を目的としたサイト改善などでも効果検証は当然、必要になってきます。行った施策について、適切な効果検証ができて、初めて適切な改善を可能にすることができます。

このように施策の効果検証を行う際に「統計知識」を身に付けることで、効果検証の精度をあげることができ、それに伴い、その後の判断・改善の質を高めることができるかと思います。

まとめ

ビジネスサイド人材が集計・統計分析スキル(データ抽出スキル/統計知識)を身につけることで

①効果検証の「スピード」を早めることができる!
②効果検証の「精度」を高めることができる!

それによりPDCAサイクルの「Check(評価)」プロセスの効率が上がる、その後の「Action(改善)」プロセスの質も上がる、ひいては事業・サービスのスピーディーな質の高い改善にもつなげられるのではないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
引き続き、集計・統計分析スキルを伸ばし、自社やクライアント様のお役に立てるよう尽力して行こうと思います。

以上です。

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