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【UX dub 座談会#01】 独立部隊、掛け持ちナシ…?クライアントにコミットするUX/UIデザイン4社の仕事術とは

弊社が6月22日に開催する「UX dub」。UXデザインに携わる人々が、会社の垣根を越えて集まる交流の場です。同イベント開催に先駆け、当日にスピーカーとしてライトニングトークを行うクリエイターの中からオハコの菊池涼太氏、アルチェコの熊澤宏起氏、ベイジの荒砂智之氏、弊社代表アジケの梅本周作が一堂に会してUX/UIデザインや会社の価値に対する議論を交わしました。

ここでは、その座談会の様子をテーマごとに3回に分けて配信します。第1回目のテーマは、「UX/UIデザイン会社の価値とは?」についてです。

まずはそれぞれの簡単な紹介から。

菊池涼太氏が代表を務めるオハコは、三菱商事グループであるMCデータプラス社の各種サービスのデザイン改善支援や「ライブドアニュース」のUI改善、医師限定のコミュニケーションツール「Whytlink」や順天堂大学眼科と共同開発したアプリ「ドライアイリズム」の設計から開発まで手がけるUIデザインカンパニー。

熊澤宏起氏がデザインコンサルタントとして活躍するアルチェコは、大手携帯キャリアとの新規事業立ち上げ、サービスリニューアルやペット主体のSNSサービスや飲料メーカーとの商品開発、大手スーパーマーケットのイートインスペースの空間デザインまで幅広く手がけるデザインコンサルティング・ファーム。

荒砂智之氏がUX/UIデザイナーとして在籍するベイジは、「リード獲得を目指すBtoBサイト、採用戦略との相乗効果を目指す採用サイト、そしてUXの観点から利用者への提供価値向上を目指す業務用アプリのUIデザインなどを手がける、マーケティングとUX、デザインに強いweb制作会社です。

梅本が代表を務める弊社は、USENの「ヒトサラ」アプリ、NTTドコモのWEB接客ツール「ECコンシェル」など、サービス開発・改善に関わるUX/UIデザインをメインに取り組んでいます。


座談会はアジケ社内会議スペースにて行われた

プロジェクトの掛け持ちはしない

梅本:さて、まず1回目のテーマは「UX/UIデザイン会社の価値について」ですが、クライアントは自社のどこに価値を感じてもらえていると思いますか?

菊地:「オーナーシップを持ってやってくれるね」と評価いただいています。オハコでは3人くらいのチームで一つのプロジェクトにコミットメントしているのですが、プロジェクトの掛け持ちは一切していないんです。

一同:えー!

菊地:「事業責任者がフルタイムで事業のことを考えているのに、形にする我々がオーナーシップを持てないくらい掛け持ちしてたら意味ないよね」ということで、プロジェクトを担当している間はフルタイムでコミットしているんです。

過去に、UIデザインを外部委託した経験のあるクライアントからは「十分にやってくれなかった」「掛け持ちでレスポンスが遅かった」など不安に思う声が多いと感じました。その点、私たちはフルコミットして、場合によってはクライアントのオフィスにお邪魔して働くこともあります。クライアントの社内を見ることができるので、それぞれどんな働き方をしているのか、誰がキーマンなのか…などを見られるという副次的な効果もありますね。


株式会社オハコ代表の菊池涼太氏

クライアントに安心感のある仕事を

荒砂:クライアントからよく聞くのは、ベイジに依頼する前の制作会社に対して、制作物のクオリティの前に「進行がグダグダだった」「納期を過ぎても連絡がない」という話です。ベイジでは、クライアントがどれだけ心地よく仕事ができるか、というお客さまと関係を築くためのコミュニケーションを大事にしています。

例えば会議があったら議事録を1営業日以内に送る、担当者が不在だった場合は別の者がメールの返信をする、など当たり前のことをきちんと行うことで、進行についても安心していただけるように心がけています。それらを社員が自発的にできるように、行動指針を作って日報で振り返る、などのルールを作って自分たち自身で強みを育てていける環境を、意識して作っていますね。

梅本:ベイジの代表の枌谷さんは、もともと営業出身ですよね?

荒砂:はい、それもあってベイジは、web制作会社なんですがビジネス的な発想ができるんです。枌谷が営業時代にコンサル的な動きをしていたので、そこで培ってきたマーケティングの視点で、ビジネスの提案ができることに強みを持っています。クライアントとは、必ず最初にビジネス・ロードマップのようなものを作って道筋を整理したり、KPIはどこに置くのかなどを話し合います。さらにベイジはデザイン・プロダクションでもあるので、それらビジネス的な強みとデザイン的な強みを高いレベルで融合できます。


株式会社ベイジ UX/UIデザイナー荒砂氏

梅本:なるほど。やはりクライアントから価値を感じていただくには、そういった独自の“強み”が大切ですよね。菊地さんのオハコには、エンジニアが充実しているのもは強みですよね。

菊地:そうですね。オハコはデザインカンパニーですが、iOSエンジニア、フロントエンドエンジニア、サーバーサイドのエンジニアがいます。やはり実装サイドで、無駄な工数を防ぐことができるのが、社内にエンジニアがいるメリットですね。

点ではなく線のデザイン

梅本:弊社もオハコと似ているんですが、ここ2年くらいでクライアント事業へのコミット度合いをグンと変えたんです。3〜4年前までは受託の制作会社だったんですが、事業に対してしっかりコミットするスタイルに変えました。

そのときに気をつけたのが、点ではなく線のデザインの提案です。例えば、最初のKPIを設定するとか、ビジネス・ロードマップを設定するなどは弊社もやっているんですが、UXデザインって積み上げていかなきゃいけないもので、設計したものがいかにプロダクトに生かされているかが大切です。アジケはUXデザインを具体化するプロトタイプやプロダクトにに仕上がっているところを評価していただいているのかもしれません。

独立部隊であれ!

梅本:熊澤さんのアルチェコはいかがですか?

熊澤:「事業の戦略からサービスのデザイン、成長モデルまでコミットしてくれるのでうれしい」と言われます。ですのでプロジェクトの期間もおのずと長くなり、1年間かけてプロジェクトに参画することはめずらしくありません。

梅本:アルチェコは本当に仕事内容が幅広いですよね。

熊澤:デザインができるだけじゃダメ、という案件が多いんです。「企画から入ってください」漠然と「こういうことをやりたい」というプロジェクトや企業のミッションの方向性決め、企画から始めていくことが多いです。

アルチェコはアルバイトを含めて9名の会社なんですが、基本的に全員「なんでもやる」というスタンスです。コンサルタントだけどデザインもやれる、という人間が集まっています。事業戦略やサービスデザインなど上流工程から携わり、そのままコンサルタントがデザインまでやることが基本ですね。


株式会社アルチェコ シニアコンサルタント熊澤氏

梅本:プロジェクトには何人くらいのチームで携わるんですか?

熊澤:基本的に1人で担当しますが、多くても3人ですかね。会社から「独立部隊であれ」って言われていて。独立していないと個人の成長につながらない、会社の成長にもつながらない、一人が責任を持ってなんでもやる。そんな人間が集まっていますね。

梅本:UX/UIの会社って、客観的には似たようなサービスに思われるかもしれませんが、こうして聞いてみるとそれぞれに独自の強みがあり、評価されているポイントも異なっていますよね。興味深いです。

次回のテーマは、会社/クリエイターとして目指す理想像」について話し合います。受託制作のジレンマ、デザインの力で証明すべき未来とは…どうぞお楽しみに!

 

座談会参加者プロフィール

菊地涼太氏
株式会社オハコ
代表取締役社長/UIデザイナー

1993年生まれ。高校時代よりWebデザインに触れ、事業会社でのWebデザインを経験。2012年に慶應義塾大学総合政策学部(SFC)入学後、同年12月に株式会社オハコ設立。サービスのUXデザインからUIデザインを軸に事業会社のサービススタートアップをサポート。2015年にはデザイン人財を増やすことを決め、直近2年で4名から20名を超える規模へと拡大中。
採用ページ

 

熊澤宏起氏
株式会社アルチェコ
シニアコンサルタント

日産自動車にて新型エルグランド車の内外装設計に携わり、人間工学的設計の観点からハードウェアの設計を担当。その後、UX/UIデザインコンサルファームに入社し、NTTドコモ、DENSO、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTレゾナント、などの大手企業と上流工程からUX設計、UIデザインを担当する。その後、アルチェコに入社し、富士通デザイン、CAC、KIRIN、楽天、リクルートやスタートアップ企業など、多くのクライアントと新規事業サービスの企画、ワークショップ設計、UX/UI設計に関わるコンサルタントを担当。また、ARCHECOの自社メディアコンテンツの企画、運営、戦略までチーム全体をマネジメントしている。
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荒砂智之氏
株式会社ベイジ
UX/UIデザイナー

数社のグラフィックデザイン会社、Web制作会社を転職したのち、2011年にベイジに参画。アートディレクション、デザイン、情報設計を手掛ける。ロゴデザインについても多数の実績があり、タイポグラフィ年鑑への入選歴もあり。近年はブログを中心に社外に向けて活動範囲を広げている。
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梅本周作
株式会社アジケ
founder/CEO

デジタルエージェンシー企業のインフォバーンにて新規事業/経営企画職を経て2007年にUXデザイン会社のajikeを設立。国内大手企業が運営するデジタルサービスのユーザー視点を中心にしたデザインコンサルティングやスタートアップ企業のUX/UIデザイン、ビジネスプラットフォームの開発プロデュースなどを手掛ける。
直近は地域の自治体と一緒にUターン施策や企業誘致に対してUXデザインを使って戦略立案から施策の運用を行っている。
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