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【UX dub 座談会#03】 職域を超えろ。ステレオタイプに捉われない、UX/UIデザイナーのあるべき姿とは

社が6月22日に開催した「UX dub」。UXデザインに携わる人々が、会社の垣根を越えて集まる交流の場です。同イベントの開催に先駆け、当日にスピーカーとしてライトニングトークを行ったクリエイターの中からオハコの菊地涼太氏、アルチェコの熊澤宏起氏、ベイジの荒砂智之氏、弊社代表アジケの梅本周作が一堂に会してUX /UIデザインや会社の価値に対する議論を交わしました。

ここでは、その座談会の様子をテーマごとに3回に分けて配信中。最後となる3回目のテーマは「我々の提供価値を高めるために取り組んでいること」です。

「職域を超える」というマインドを持つべき

梅本:前回、オハコの菊地さんから「未来が正しいということを証明していく」という話が出ましたが、社内で啓発 ってどのように行っているんでしょうか?

菊地:うちでは「共創が最高を作る」「情熱と責任を持つ」「有限の中でも最大に粘る」など、会社の指針を決めていて、それらを評価項目に入れるなど、人事的な面の整備も進めています。あとはデザインの未来やビジョンについて話し続けることです。でも人によって伝わり方も違うので、構築・検証・学習みたいなプロセスと同じように言葉をちょくちょく変えながら伝えていっています。

梅本:なるほど。社内でのスキルや意識を上げていくというところも大事ですが、教育・マネジメントはどうされていますか

菊地:うちのUIデザイナーは毎朝30分の朝会をしていて、そこでトピックについてディスカッションをしています。フロントエンドエンジニアやiOSエンジニアもフリータイムを週1回1時間設けて、技術的な話題について話し合っています。勉強会も定期的に社員たちが自発的に取り組んでいますね。スキルアップの面だと、それらで一定のラインを保っているのかなと思います。

梅本:アルチェコさんは一人が全部やるスタンスですが、例えばオハコのデザイナーさんだと、どこまでのレベルを求めているんですか

菊地:基本的には利用者目線でインターフェイスを設計してクリエイティブに落とすところまでが主な範囲ではあるんですけど、そのために知っておかなければいけないことってたくさんあるじゃないですか。ですので、きちっとしたラインは設けていませんが、しっかりと踏み込んでいくための「職域を超える」っていうマインドは大事にしてますね。なので、プロジェクトのスタートの段階からデザイナーもエンジニアも入っていくことを基本スタンスにしています。

社内のルール化はするべき

梅本:そのあたり、アルチェコさんは「デザイナーはここまで出来なきゃ」っていうのは

熊澤:全部(笑)

一同:(爆笑)

梅本:答えが明快でいいですね(笑)。

熊澤:もちろん、人によってスキルが違うので、不足しているスキルを他の人間が補っていくことは必要なんですけど。ただ教育に関しては私たちも大きな課題を持っています。もっと言うと新しい人が入ってきたときに育てるのが苦手なんです。一人がいろんなプロジェクトに入っているので時間がないっていうのを言い訳にしてるだけなんですけど…。

ただ、社内は少人数で部署もないから家族みたいな感じなんです。ですので気軽に相談できる環境はかなり整っていると思います。他人のプロジェクトの話も入っていってアドバイスをし合うとか。

梅本:別に仕組み化するとかではなく、その空間の関係性の中で環境が出来上がっているんですね。

熊澤:はい。みんな、ルールとか大嫌いなんですよ(笑)。

梅本:そんな感じしますね。会社のサイトから醸し出てる(笑)。だから逆にこれから教育は課題なんですね。ベイジはどうですか?

荒砂:教育やマネジメントはうちも常に試行錯誤していますね。やっぱりみんな制作者なので、基本的に静かに黙々と作業しているんですが、誰かがアクションを起こさないと一日静かに終わってしまう、みたいなことが起こりがちだったりします。そうなると各人が何に悩んでいるのか、何をすべきかが、ふとしたときに分からなくなりがちなんですよね。

梅本:会社によって全然違いますね。うちは、過去にマネジメントで失敗した経験があるんです。ビジョンがなかなか浸透しなかったんですよね。なので、1〜2年前から教育責任者や人事担当者を置いて、会社の行動指針を評価項目にいれるようにしました。例えば、「ほめカード」というカードを社内で配り、そのカードをもらった数や内容を評価の基準にしたんです。あとは外部のフリーで働いているスキルの高い優秀な人などをモデルに呼んで、課題を出してもらって、エンジニアやデザインチームが取り組んだりもしています。

年間、半年、月次と、細かく評価面談するようになりました。そして今月の目標に落とし込んで言ってKPT(Keep/Problem/Try)のように振り返る、ということを継続して取り組んでいます。

また、月一回はプロジェクト同士の情報共有会を設けています。最初はそれぞれの役割分担を明確にしていましたが、そうすることで徐々に分散し、「自分たちの仕事を本当は誰に届けるべきか」ということを、よりユーザーやカスタマーに向けて考え始めるようになって。これをもっと上手く仕組み化したいですね。

こんな人と働きたいそれぞれの採用基準

梅本:さて最後に、スキル面でもマインド面でも良いのですが「こんな人と一緒に働きたい」というポイントを、それぞれ教えていただけますか?

熊澤:「サービスを作ったことがある人」ですかね。何かを企画して実際にビジネス戦略に落とし込んで、ものを作り、それを成長させていく…というような一連のプロジェクトに携わっていた経験がある方、そしてデザインに関してもある程度のスキルがある方が、アルチェコにはマッチするのかなと思います。

やっぱり究極を言うと、サービスを作ったことがない人はUXデザインをできないと思うんですよね。UXを語れないと思うんです。

菊地:我々は「必ず形にする」というところまでしっかりコミットメントしているので、そのために「誰にどんな価値を」というところから考える必要がある、という必要性をしっかり理解されていて、今の現状にムズムズしているというか「もっとデザインのパワーってあるよね」ということを感じられている、とはいえ一人でスキルの切り売りをしていてもしょうがない…と考えられている人でしょうか。

チームと切磋琢磨して、他者のいいところを取り入れ、逆に学んだ分をアウトプットする、そんな土壌が我々にはあります。そういった働き方をしたい、という方はすごくマッチするのではないかと思います。エンジニアが在籍しているので、技術にもしっかり目を向けていきたい、逆にエンジニアとして単純に作る、設計するというところは求められているけれども、しっかりとインターフェイスの部分まで納得感があるものを作っていきたい、という人にはすごくフィットすると思います。

梅本:うちは、どんな人を求めているかというと2つあって。まず個人的に社内の行動指針の中で一番好きなのが「今いるメンバーがベストメンバー」という行動指針なんですが、だいたいプロジェクトとか何かで失敗すると人のせいにしがちじゃないですか。しかし、ベンチャーには人も金もモノもありません。だから今いるメンバーのリソースを借りることが、大切だし難しいところなんですけど、そこを理解して行動できる人ですね。あとは、自分の家族に紹介してもいい人。それができるかどうか。そこは直感ですけど(笑)。

荒砂:自分の経緯を振り返ってなんですけど…おそらく自分みたいな人が一番フィットするんだろうなと思っているんです。

僕はずっとデザイナーとしてやってきたんですが、若い頃は、表面的に認められたいだとか、作ったもので評価されたい、派手なものを作りたい、という感覚って絶対あると思うんですね。でも、ずっとこの仕事をやっていると「本当にそれは機能しているのか」とか、「ビジネスとして成果を生んでいるのか」とか、そういうところにふと辿り着くことがあると思うんです。それが僕の場合は遅くて20代後半で気がついたんです。

日々目の前に渡された設計仕様書に沿って絵を作るってことをやっているだけ。本当にこれでいいのかと思っていた頃に入ったのが、今のベイジでした。ベイジはWebを主体としたビジネス戦略、マーケティング、UXデザインの手法を用いた提案でビジネスの成果を出すという点と、クオリティの高いデザインの両立が会社としての強みだったので、自分はそこに強くマッチしていると感じました。

デザイナーでもエンジニアでもモノを作っている中で、作っているものがビジネス上でどう機能しているのか、ちゃんと見ることができる環境で働きたいと思う人なら、ベイジという会社はマッチすると思います。その上で、デザインやエンジニアリング、ディレクションといった個々人のスキルも高いレベルで極めたい。そう思う人なら、一緒に働くとすごくいいものができるんじゃないかと思いますね。

新進気鋭の4社による3回にわたる座談会、いかがでしたでしょうか。4社それぞれのカラーは違うものの、UX/UIデザインの可能性と未来、そして作り手のあるべき姿や姿勢には共通するものがありました。最後までご覧いただきありがとうございます。今後、UX dubは継続的に開催していく予定ですので、ご期待ください!

 

座談会参加者プロフィール

菊地涼太氏
株式会社オハコ
代表取締役社長/UIデザイナー

1993年生まれ。高校時代よりWebデザインに触れ、事業会社でのWebデザインを経験。2012年に慶應義塾大学総合政策学部(SFC)入学後、同年12月に株式会社オハコ設立。サービスのUXデザインからUIデザインを軸に事業会社のサービススタートアップをサポート。2015年にはデザイン人財を増やすことを決め、直近2年で4名から20名を超える規模へと拡大中。
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熊澤宏起氏
株式会社アルチェコ
シニアコンサルタント

日産自動車にて新型エルグランド車の内外装設計に携わり、人間工学的設計の観点からハードウェアの設計を担当。その後、UX/UIデザインコンサルファームに入社し、NTTドコモ、DENSO、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTレゾナント、などの大手企業と上流工程からUX設計、UIデザインを担当する。その後、アルチェコに入社し、富士通デザイン、CAC、KIRIN、楽天、リクルートやスタートアップ企業など、多くのクライアントと新規事業サービスの企画、ワークショップ設計、UX/UI設計に関わるコンサルタントを担当。また、ARCHECOの自社メディアコンテンツの企画、運営、戦略までチーム全体をマネジメントしている。
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荒砂智之氏
株式会社ベイジ
UX/UIデザイナー

数社のグラフィックデザイン会社、Web制作会社を転職したのち、2011年にベイジに参画。アートディレクション、デザイン、情報設計を手掛ける。ロゴデザインについても多数の実績があり、タイポグラフィ年鑑への入選歴もあり。近年はブログを中心に社外に向けて活動範囲を広げている。
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梅本周作
株式会社アジケ
founder/CEO

デジタルエージェンシー企業のインフォバーンにて新規事業/経営企画職を経て2007年にUXデザイン会社のajikeを設立。国内大手企業が運営するデジタルサービスのユーザー視点を中心にしたデザインコンサルティングやスタートアップ企業のUX/UIデザイン、ビジネスプラットフォームの開発プロデュースなどを手掛ける。
直近は地域の自治体と一緒にUターン施策や企業誘致に対してUXデザインを使って戦略立案から施策の運用を行っている。
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