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【取引経験者向け】国内・海外の仮想通貨取引所のトレーディングダッシュボードのUIを集めてみた

こんにちは。ディレクターの佐藤です。
皆さんは仮想通貨取引を行ったことがありますでしょうか?

全ての仮想通貨取引所における一日の平均取引高は、17年12月に170億ドルに迫った。
18年3月は91億ドルに減り、4月前半は74億ドルまで減った。

ロイター社「仮想通貨の取引高、ピーク時から半減 過熱感後退で」より

上記のニュースからも、規制や様々な問題から2017年12月をピークに取引量は半減していることが明らかになっていますが、2018年7月現在も取引量としては数年前と比較すると十二分にあり、まだまだ熱は冷めやりません。


直近では、LINEが日米を除いた仮想通貨取引所を7月16日(月)からオープンしています。

国内・海外含め世界には沢山の仮想通貨の取引を行うためのWebサイト・アプリが存在しています。そこでは多くの方が通貨を売ったり・買ったりしています。

この取引を行うためのインターフェースは、基本的にはネット証券やFXといった金融商品を踏襲した形となっているようです。一方で、やはり「仮想通貨取引」というのは新しい概念であり、それを提供するためのUIにも独自の慣習が生まれています。

そこで今回は、トレーディングダッシュボード(取引画面)を「大手海外取引所」、「マイナー海外取引所」、「国内取引所」に分けて実際に調査してみました。
※PC表示となります。

1.大手海外取引所

BITFINEX

香港発の取引所で、ドル建てでの取引量が多いと言われています。

ポイント

・左カラムだけで、
1.通貨を選び
2.通貨の基本的な情報を確認し
3.現在の残高とすり合わせて
4.注文を行う
という最小限の注文フローをコンパクトに完結できます。

・右カラムのコンテンツエリアでは、左カラムでは補完できなかったチャートや板情報、オーダーブックなど取引にあたっての検討材料が提供されています。

 

BINANCE

世界トップの取引量を誇る中国発の取引所です。

共通ビュー

トレードビュー

ポイント

・共通ビューとトレードビューで目的別のUIを提供しています。
・共通ビューは複数通貨を行き来して取引できるよう、右カラムの目立つ部分に通貨ペア枠が表示されています。一方トレードビューでは通貨ペア枠が縮小された代わりに板情報が拡張され、一つの通貨を詳細に分析して取引できるUIになっています。
 

BITTREX

2014年設立の、マイナーな通貨を数多く取り揃えているアメリカの取引所です。

ポイント

・固定された左カラムに通貨ペアが並んでおり、通貨間を回遊しやすいUIとなっています。

・コンテンツエリアは
チャート > 板情報・取引 > 注文状況・履歴
と上から並んでおり、大局の確認〜ミクロなエントリーポイントの判断、取引 まで、一般的なユーザーがなぞるジャーニーに沿って要素が並べられています。

 

OKEX

取り扱いコイン数、流通量共に多く、取引高世界一にもなっている取引所です。

共通ビュー

トレードビュー

ポイント

・共通ビュー・トレードビュー共に、取引パネルではドラッグできるスライダーが設置されており、購入/売却する通貨の量を直感的に操作できます。
・共通ビューのチャートはかなり大枠での情報となっており、チャートを見て取引するならば基本的にトレードビューへの切り替えがほぼ必須となります。
・共通ビューにはダークモードUIが搭載されており、夜でも目に優しく取引できます。

 

BitMEX

レバレッジの高さで人気の、現物ではなく信用取引所です。香港に拠点を置いています。

ポイント

・信用取引所のため主要通貨(8種)のみ扱っており、回遊導線はタブ形式で小さく収めることができています。
・信用取引所のため、自身が建て替えた取引に対して現在のポジションを表示するメーターが配置されていたりと、モニタリング目的の要素が目立ちます。
 

2.マイナー海外取引所

KuCoin

KCSという独自トークンとその配当制度などが特徴的な、香港発の取引所です。

ポイント

・大手取引所にて紹介したBinanceのトレードビューと類似しています。
・板情報部分では画面横幅50%を確保し小数点最大8桁までの確認が可能になっている。その分、チャート表示の横幅が圧迫されています。
 

Liqui

新興コインを買い求める人々に人気のある、ウクライナの取引所です。

ポイント

・購入ボタンの下に売り板が並び、一方で売却ボタンの下に買い板が並んでおり、縦軸で相関関係を持っている要素があります。
・自分や他者の注文状況は下部に並んでおり、ファーストビューの範囲内ではチャートを参照し注文することに特化している要素順となっています。
 

HitBTC

取引高世界10位に入るスイスの取引所です。マイナーなコインが多いとのこと。

ポイント

・板情報部分には数字を並べるだけでなく、板の厚さをゲージにしてビジュアライズすることで、直感的にボリュームを把握できるUIになっています。
・チャットが比較的重要度が高い位置に設置されており、タブ形式で5言語それぞれのルームに切り替えることができます。
 

YoBit

2014年に設立された、ロシア発の謎の多い取引所です。

ポイント

・ファーストビューに取引に必要な全ての機能がコンパクトに詰め込まれています。
・右カラムでは、取引の合間・息抜きとして「DICE GAME」とされる仮想通貨を使った丁半ゲームも簡単に行えます。
 

Huobi

現在急成長中の、中国から香港に拠点を移した取引所です。

ポイント

・最下部に表示されている”Coin Basics”という項目では、取引中のコインの概要やルーツ、発行量などが記載され簡易的なwikiになっており、取引の際の安心感や検討材料につながっています。
・独特なカラーコード含めチャートがとてもきめ細かく見えます。
 

Bibox

中国発、昨年となる2017年11月25日に設立された新興の取引所です。

ポイント

・チャートと板を見て取引を行う、基本形のようなUIです。
・要素が絞り込まれており、初心者でも簡単に操作を覚えることができそうです。
 

CRYPTOPIA

ニュージーランド発の「草コイン」と呼ばれるマイナーな通貨を数多く取り揃えている取引所です。

ポイント

・固定された左カラムから、大量のコインを探すことができますが、それぞれのコインに対してアイコンが表示されており、視覚的に探すことができます。
 

COIN EXCHANGE

上述のCRYPTOPIAと並び、草コインを数多く(300種類以上)取り揃えている取引所です。

ポイント

・マイナーなコインを多く取り扱っていることから、通貨の単位も小数点が並ぶ小さいものとなっており、それに対応できるテーブルレイアウトとなっています。
 

3.国内取引所

bitbank

販売所形式ではなく取引所形式でアルトコインが購入できる日本の取引所です。

ポイント

・チャートに対して左側にツールボックスが並んでおり、チャートを分析して取引することに特化しているUIとなっています。
・日本の取引所ということもあり、取引所内の保有資産が円換算で常に表示されており便利に使えます。
 

coincheck

出川哲朗さんを起用したTVCMで一気に知名度を上げた日本の取引所です。

取引所

トレードビュー

ポイント

・取引所とトレードビューの2つの画面から売買が行えます。
・取引所では取引に関する機能は必要最小限で、チャットの優先度がとにかく高くなっています。
・トレードビューにはチャットは含まれておらず、チャートを元にした売買に専念できるUIになっています。

 

QUOINEX

シンガポールから日本に本社を移し、積極的に事業展開している取引所です。

シンプルトレード

多機能トレード

ポイント

・「シンプルトレード」と「多機能トレード」として目的別に画面を提供しています。
・シンプルトレードではチャートの優先度が低く、板に並べられた商品を売買する、といった目的に特化しています。
・多機能トレードは全ての要素を自分の好みに従って自由に並び替えることができます。
 

zaif

日本産の仮想通貨MONAcoinを取り扱っていることで有名な取引所です。

ポイント

・チャート、板情報、取引履歴、注文パネルがコンパクトにまとまっています。
・タブUIを活用し、そのままでは散らかってしまう要素を上手くまとめています。
 

比較して気付いたまとめ

①仮想通貨取引画面に必要な基本要素は以下の7つに大別できる

a.取引通貨の基本情報(ペア、現在価格と変動幅、最高値、最安値、流通量など)

b.取引通貨のチャート/マーケットデプス
 
c.取引通貨の板情報
 - 売り注文一覧
 - 買い注文一覧
 - 成約履歴一覧

d.取引通貨の注文パネル
 - 取引可能デポジット額
 - 売り/買い
  - 成行/指値/逆指値
  - 現物/信用

e.通貨ペアの選択・変更

f.自身の取引情報
 - 注文中取引の一覧(成行/指値/逆指値)
 - 取引完了の一覧

g.コメントやその他娯楽機能

②取引所によって要素の表示方法は、「ウィンドウ内に全ての要素が収まる完結型」と「全ての要素を見るためにスクロールする必要がある縦長型」に分かれる

また2パターンで表示要素数に大きな違いはなく、後者の場合はタブ形式UIなどを活用し、複数要素を一つのエリアに収めています。

③「トレードビュー」と「簡易ビュー」で表示要素数は変化せず、それぞれの強弱や関係性が変わる

トレードビューでは「チャートの見易さ」を、簡易ビューでは「売買の簡易さ」を重視して要素が配置されています。

④通貨ペア選択はどの取引所でも重要度が比較的高い

当該要素は、多くの取引所でファーストビューや固定カラムに表示されています。これは、株式やFXと違い通貨のボラティリティが大きく、短期で複数通貨をトレードするため回遊性がより重視されているからと考えます。

⑤小〜中規模の取引所では、板情報の[売り]と[買い]がそれぞれ別の要素として分離されている

流通量が少ないコインでは、取引所によって売りと買いの板に大きな偏りが生まれるためと考えられます。

終わりに

今回は仮想通貨取引のダッシュボードを見ていきました。
一見似通っているようで、実は取引所ごとに違いが激しいことがお分かりいただけたかと思います。

「通貨の売買」に限って言うとある程度求められるUI/UXは似通ってくるはずですが、
しかし、それでもここまで違いがあるのは単にユーザーにとっての使い易さを追求すればいいだけでなく、各取引所の規模や特徴、戦略やブランディングに合わせて求められるUI/UXが絶妙に違っているから、ということでしょう。

よくある便利なUI、ではなくアジケある体験を実現したい、というお悩みがございましたらぜひアジケにご相談ください。

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